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実際発生した凶悪殺人事件をモチーフにして作られた国内映画 第6弾
「事実は小説より奇なり」



20年前の1995年1月阪神淡路大震災の未曾有の大災害でダメージを受けた日本に、2ヵ月後の3月20日に更なる衝撃が襲う。世界にも大きな衝撃を与えたオウム真理教が起こす神経ガスのサリンを使用した同時多発テロ、地下鉄サリン事件。この事件発生からさかのぼる9ヶ月前の1994年6月27日、長野県松本市で、猛毒のサリンが散布された松本サリン事件。
死者8人・重軽傷者660人を出し、第一通報者の河野義行氏に対する冤罪・報道被害事件の実態を素材に描いた「日本の黒い夏 冤罪」
長野県出身の熊井啓監督は、幼少の頃に河野家に出入りしていた経験から河野家の家風をよく知っており、また熊井作品(「真昼の暗闇」「黒部の太陽」「日本列島」「日本の暑い日々 謀殺下山事件」「ひかりごけ」などがある)での取材経験より、犯行は極めて専門的な知識が必要であり、確たる証拠がないまま自白の強要に追い込む警察の捜査手法など含めて、当初からマスコミ報道に疑問を感じていたという。
まだ記憶に新しい松本サリン事件。これは戦後のことではない。ほんの20年前の警察において、極めてずさんで強引な取調の実態とマスコミの誤報による過熱取材がもたらした事件を描く。単長にならず切れ味鋭く、さすが熊井啓監督作品だと感じられる。サリンの発生源を検証するシーンで使われた池周辺や軒下の撮影は、実際の河野家の自宅敷地内で行われた。
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GHQの強大な権力の下で暗躍する謀略機関の不気味さと、それに翻弄され、虫けらのように殺されていく人々の姿が描かれている。戦中、陸軍登戸研究所で偽札作りの背後に謎の謀略機関が蠢いている事件を中軸に、戦後の混乱期に実際に起こった謎の下山・松川・三鷹事件、いわゆる国鉄三大ミステリー事件やBOACスチュワーデス殺人事件等、戦後の混乱期に実際に起こった事件が盛り込まれている。謎の組織にとって邪魔な人間は悉く消されていく。火に焼かれてい蟻群の姿は実に印象深いオープニングシーンである。彼らにとって人間の命はこの虫けら共と同じ重さでしかないのだと言わんばかりである。
「帝銀事件 死刑囚」で監督デビューを果たした熊井啓監督が翌年1965年に撮った作品で、巨大な権力に押し潰される様を描いた「日本列島」
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1974年千葉県市原市にて両親は裕福な自営業、千葉県内の最難関高校を卒業した息子が、風俗店勤務女性との結婚を反対されたことに激怒し、登山ナイフで両親を刺殺。遺体を浴槽に隠すなどで、殺人及び死体遺棄容疑で逮捕された市原両親殺害事件をベースにした「青春の殺人者」。
撮影は舞台となった市原市などを中心に全編ロケ。ゲリラ的撮影が多く、スナックに火を付けて燃やすラストシーンも許可を取らずに一発撮り。周囲に集まる消防車も本物ということだ。主演の水谷豊をはじめ監督もノーギャラで、当初本作の上映は日本中で4館だけだったという。青年期に誰もが抱くであろう親への嫌悪感や対立心と、屈折した両親の庇護の元、親の支配から逃れたい自立願望と重なって起こす親殺し。溶岩のようにドロドロと停滞した熱さの70年代と冷え冷えと荒涼とした熱量の現在との時代性を上手く描いた佳作。
イチジクは本当にあったのだろうか?
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人の弱みにつけこんで監禁をして金を巻き上げ、拷問と虐待によってマインドコントロール下に置き、互いの不満をぶつけさせることにより相互不信を起こして逆らえなくした上、被害者家族同士で虐待をさせることで相互不信を一層深くさせていく。加害者自身の手は汚さず、用済みとなった人間を殺害して死体処理を行わせた(裁判では6人の殺害と1人の傷害致死)日本犯罪史上稀に見る凶悪犯罪とされる事件。鬼畜の所業と非難され2011年12月主犯松永太の死刑と共犯緒方純子の無期懲役が確定する。非常な残虐性・悪質性にもかかわらず、事件に報道規制がかけられたとされる。報道量が少なくなった理由としては「あまりにも残酷な事件内容のため表現方法が極めて難しいこと」などがあるとされる北九州監禁殺人事件。
この壮絶な事件を題材にするのは難しいだろうなぁと個人的にはずっと思っていたが、西島秀俊、竹内結子、香川照之らのキャストで見事ギリギリ映画としてのメッセージ性、娯楽性を保ちつつ、残酷性を描いた映画「クリーピー」
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実際発生した凶悪殺人事件をモチーフにして作られた海外映画集 第10弾
「事実は小説より奇なり」



1991年1月29日午後5時20分頃、ソウルのアパート遊び場で目撃されたのを最後に、スカーフとナイロン紐で手足を縛られ、
口と目はテープを貼られるなど残酷な姿の遺体で発見される。解剖検査の結果、犯人は誘拐直後に殺害したと推定されるが、両親に44日間で60回余りの電話と10回のメモで絶えず脅迫し続けた身代金誘拐事件。明確で多くの端緒があることにもかかわらず、15年後の2006年時効が成立したイ・ヒョンホ誘拐殺害事件を基に作られた「あいつの声
人気ニュースキャスターの息子が公園の遊び場から突然失跡する。警察の捜査も虚しく、犯人を追い詰めることが出来ない中、事件発生から44日後、捜査の甲斐なく遺体が発見され犯人逮捕には到らなかった。
ニュースキャスターに復帰し、番組内で誘拐犯にむけて原稿を読み始める。映画最後には実際のモンタージュが映し出され、当時の犯人から脅迫電話の音声が流れる。
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韓国三大未解決事件のイ・ヒョンホ誘拐殺害事件をモデルにした映画「あいつの声」のラストに収録されている実際の犯人からの身代金脅迫電話の肉声の場面をモチーフに製作された「殺人の疑惑
15年前の誘拐事件の公訴時効が2週間後に迫る中、警察は情報提供を求めて実際の犯人の肉声を映画にて流した。それを聞いたある娘は口癖、発音、声紋が父親にそっくりなことに気付く。疑惑を払拭しよう奔走する中、徐々に明らかになる真実。誘拐殺人事件の時効成立前の事柄として描く「殺人の疑惑」
韓国映画全般にある特有の作中に入るコミカルなシーンには理解に苦しむが、男手ひとつで懸命に育ててくれた最愛の父親に向けられた娘の疑惑は次第に深まり、仲の良かった親子の絆が疑心暗鬼に陥いっていく様をスリリングに描いた作品。
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イ・ヒョンホ誘拐殺害事件をモデルに、誘拐殺人事件の時効成立後の事柄を描いた「悪魔は誰だ
未だに犯人を見つけ出そうと事件を調べ続けている一人の刑事。時効まで残り5日に迫ったある日、事件現場に一輪の花が置かれていた。これを手がかりに捜査を再開するが、誘拐殺人事件の15年という時効が完成してしまう。
しかし15年の時が過ぎ、殆ど同じ手口の誘拐事件が発生する。果たして犯人は…韓国特有の残酷な描写は本作には少なく、時間軸を巧みに使い、謎解きのヒントや伏線のある見応え十分な猟奇的推理ミステリー映画。
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韓国華城市半径2㌔周辺で、女子中学生や老婆を強姦、殺害する10件の連続強姦殺人が起こる。
「毛髪、陰毛などの物的証拠ゼロ」「被害者の所持品で陰部を乱行」「被害者が赤い服を着用」など共通点が多く、凶行が確認されるものの、韓国三大未解決事件とされる華城連続殺人事件からインスピレーションを得て描いた「殺人の告白
華城連続殺人事件をモデルにした「殺人の追憶」が有名であるが、「公証時効となった後、犯人が名乗り出たらどうなるか?」と考えた監督がメガホンを握った。15年が経過し時効が成立した2年後、法で裁かれることのなくなった真犯人が、連続殺人事件を詳細に記した告白本を出版する。その衝撃的内容と真犯人の丹精な容姿が人々の注目を集め、一躍時の人に。事件を取り巻く元担当刑事と犯人への復讐を誓う被害者遺族。追いかけっこあり、ユーモラスなシーンあり、カーアクションあり、サスペンスの要素あり、てんこ盛りの作り込んだストーリー。そして衝撃の結末が。
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実際発生した凶悪殺人事件をモチーフにして作られた海外映画集 第9弾
「事実は小説より奇なり」



厳格な父親に逆らえない息子ボビーとストレスの捌け口として暴力を受ける友人マーティ。対等なものではない互いの友達関係は次第にエスカレートしていじめ、暴行になっていく。ボビーは器用に勉強をこなしながら要領の悪いマーティを夜遊びに引きずり回し、高校を中退に追い込む。さらにマーティの恋人リサと友人アリもボビーにレイプされてしまう。最初は冗談のつもりだった彼らのボビー殺害がマーティを取り巻く恋人、友人、従兄弟らと話が伝わり計7人のボビー殺害計画へと移っていく。
1993年フロリダで起こった、いじめっ子が友人と7人らに殺害され、ワニの餌にされたボビー・ケント殺人事件。
彼等にとって世界は狭く閉鎖的なもので、普通に過ごす毎日の生活の中から、小さなきっかけが重なって起きた事件。溢れる好奇心に幼稚な計画、向う見ずな行動から、あっけなく実行してしまう軽さ、自分の保身で仲間同士が疑心暗鬼になり他人のせいにする醜さ、罪意識の欠如、考えの稀薄さ、キレ方やビビリ方…ティーンエイジャーを描いた映画「BULLY」
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ニュースキャスターを夢見る22歳の女教師パメラ・スマート。地元の教育委員会が主催するメディアスクールで講師をし、生徒である15歳の教え子ビリーと不倫関係になる。「夫さえいなければずっと一緒にいられる」とビリーを唆し、夫グレッグを殺害させる。強盗犯に見せかける計画だったが、パメラと親しかったある女子生徒の協力により、一連の計画を聞き出すことに成功する。パメラの計画の元、愛する証しだと唆された殺害と語るビリーと、完全否認し無罪を主張するパメラは対立。裁判の様子は全米にテレビ中継され、一大センセーションを巻き起こしたパメラ・スマート殺人事件。パメラは夫殺しの謀議と共犯で終身刑を宣告され、実行犯であったビリーは懲役40年を宣告される。1990年に起きた事件を1995年にニコールキッドマンが演じゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞した「誘う女」。娼婦からダンサー、弁護士と幅広く演じる女優ニコールキッドマンに脱帽である。事件全貌があまりにも有名で、映画としてのスリルには欠けてしまう。
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裕福な実業家の息子でハンサムと評判のスコットと、高校時代にはチアリーダーをつとめ明るい性格で料理好きの妻レイシー。誰もが羨むような結婚生活を送る2人に2002年12月24日、スコットが帰宅すると、レイシーが失踪。スコットの態度や奇怪な言動、愛人の存在までもが発覚し、悲劇の良夫から一転、真犯人としてマスコミの非難の的となる。3か月後の4月、必死の捜索も虚しくサンフランシスコ湾に女性と胎児の死体が発見される。金髪に染め、$15,000もの大金を所持、ダイエットまでして、逃走を図るスコットだったが敢え無く逮捕される。殺人・死体遺棄の決定的な物的証拠がないまま状況証拠のみで、陪審員らにより有罪とされるが、現在も無実を訴えながら刑務所に服しているスコット・ピータソン事件。
この事件をベースに鬼才デビット・フィンチャーによって緻密に計算され描く、先の読めない映画「ゴーン・ガール」
主人公を純粋に愛していると描く前半から一転、目的のためなら手段を選ばない自己中なブッ飛んだ行動の後半。映画史に残る強烈な悪役が、また1人誕生したと言ってもいい。
互いが互いのために演じ合い、支配しようとしつつ、相手が好む自分という理想像を探り、距離を測る生活。これこそ結婚生活なんであろうか。「頭蓋骨を割ってまで何を考えているか知りたい」という冒頭の甘い台詞は、甘いどころではなかった。
作中の青春映画のようなキラキラした描写が対比され際立ちます。加害者は守られ、被害者はより傷つけられる悲しい事実を描いた作品。
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2004年韓国密陽市で女子中学生が男子高校生に間違い電話をかけたことをきっかけに、言葉巧みに誘惑され、不良グループ約10人により、女子中学生3人は脅迫され、性的暴行を受ける。さらに強姦写真、実名、住所などをインターネット上に暴露すると脅迫され、市内三校の男子高校生合計40人以上から複数回にわたり集団強姦を受ける。金品の強要や個人情報、強姦映像の流出のほか、被害者は事件後、警察や地域社会などから卑下され酷い冷遇を受け、精神的苦痛から服毒自殺を図るなど、心的外傷後ストレス障害、主要鬱病、パニック障害)、汎不安障害、摂食障害などを患う。別地域でも同様の手口で呼び出し加害者70人余の集団性暴行を加えた疑いもあった。捜査方法、事情聴取などもずさんで、卑劣で被害者の心情を無視し密陽女子中学生集団性暴行事件。驚くべきその後として加害者である学生らは1人も刑事罰を受けず、前科も付かないまま社会に出ているという。女子中学生を高校生に変更しているとはいえ、概ね事件を基にして作られた「ハン・ゴンジュ 17歳の涙」
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実際発生した凶悪殺人事件をモチーフにして作られた海外映画集 第8弾
「事実は小説より奇なり」



本名ティーナ・ブランドン。身体的には女性ながら、男性と思われるよう性と名を入れ替え、男らしい服装で女性とデートしたり、陸軍に入隊を希望するなど本人の性自認は男性であったブランドン。
誰も知らない町に移り住み、新しい生活を過ごすのだが、ある事件がきっかけで身体的に女性であるということが明らかになってしまう。これを許されざる裏切り行為と考えた男友達ジョンとトムはブランドンに性的暴行を加える。ブランドンの被害届は警に受理してもらえず、その上彼等の怒りを更にエスカレートさせてしまう。クリスマスパーティーで賑わう中、ブランドンを含む3人が射殺される1972年に起きたブランドン・ティーナ惨殺事件。主演のヒラリー・スワンクの演技が高い評価を受け1999年アカデミー主演女優賞を含めて映画賞を総なめにした映画「ボ―イス・ドント・クライ」
GirlsじゃなくてBoys Don’t Cryとしたタイトルに象徴されている。男の子は泣いちゃいけない、男だから、女だから…そんな何気なく持つ見識が、偏見であるかもしれないという怖さを痛感する作品。
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1993年、路上生活の子供たちの寝場所となっていた教会広場で深夜に銃撃。8人が死亡、生き残った子供たちもその後、半数は殺害される。驚くべき事に犯行グループの中には警察官が交じっていたというカンデリア教会残虐事件。それから生き残りの1人サンドロが2000年、ブラジル・リオデジャネイロで強盗に失敗し、乗客11人を人質にして車内に立て籠もるバスジャック事件を起こす。事件後、犯人の家族や犯人にまつわる人たち、被害者らのインタビューとその一部始終を写した映像で作る、スラム街の貧困問題や警察制度の矛盾などをテーマにした実録型ドキュメンタリー映画「バス174」。最後の結末は衝撃的でした。
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完全犯罪を成し遂げる特別な力があるとニーチェの超人思想に感化された、裕福な家庭に生まれた同性愛者のレオポルドとローブ。自分たちの優位性を立証しようという異様な動機から、隣人を鑿で殴殺、身元特定が困難になるよう顔と性器を酸で焼いて、排水路に死体を遺棄する。身代金目的の誘拐事件のように見せかけるため画策するが、死体と共に発見された証拠品からアリバイが崩れる。逮捕後は殺害についてお互いが相手に罪を擦りつけ合うが、終身刑+99年の懲役刑を受けたレオポルド・ローブ殺人事件。
同殺人事件をモデルにフライシャー監督・強迫/ロープ殺人事件、トム・ケイリン監督・恍惚、シュローダー督・完全犯罪クラブなど数多く映画化されている。その中で最も古く、全編をワンシーンで繋げ、劇中とリアルタイムに時間が同時に進むという試みをしたヒッチコック監督作品「ロ―プ」。70年前の実験的作品として画期的で充分に面白い作品だと感じるが…といった作品。
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2000年から2005年にかけて韓国・光州の聾(ろう)学校で知的障害のある入所児童に瓶で殴るなどの体罰や粘着テープで拘束し強姦するなど、複数の教諭による性的虐待が発生。また他の教諭らも事実を知りながら捜査機関に届け出ず、黙認していたとされる一連事件、光州インファ学校事件。2011年に映画化された本作によって事件が再注目され、再検証されることになった。これにより障害者や13歳未満の児童への性的虐待の厳罰化と公訴時効を廃止する法律・通称「トガニ法」が制定されることになる。多大になる影響を与えた光州インファ学校事件をベースに描いた「トガニ 幼き瞳の告発」
トガニ法が制定される前ということもあり、学校教諭らに終始いたたまれない、腹立たしい気持ちで胸を掻き毟られる。しかし、事実であることは間違いなく、この作品をきっかけに韓国内に大きな反響を与えたことを考えると、映画がただのフィクションではなく大きく事実に沿ったものだったと言えるのだろう。日本においても1995年に同様の事件が起こっている。茨城県水戸市の (有)アカス紙器にて障害者雇用の助成金を受け取りながら賃金未払いにより赤須正夫社長が詐欺容疑で逮捕される。その後捜査において角材やバットでの折檻、膝裏に角材を挟ませて正座させ漬物石を乗せて長時間座らせておくなど多くの虐待の事実が判明。知的障害者の従業員たちは満足に食事も与えられておらず、タバスコをふりかけた白飯や腐ったバナナなどを食べさせられ、知的障害者の女性従業員に対する強姦もあったと言われる。これモデルにした野島伸司脚本のTVドラマ「聖者の行進」がある。
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実際発生した凶悪殺人事件をモチーフにして作られた国内映画 第5弾
「事実は小説より奇なり」



1億円以上の結婚詐欺と複数の男性を殺害し逮捕され、2012年4月に死刑判決を受けた木嶋佳苗。嘘が得意で、騙し取った金で家賃約22万円もする高級マンションに住み、ベンツを乗り回していたという。
時には偽名を用い、「父親は東大教授で、自らはピアノ講師、フードコーディネーターである」と語っていたという。2009年に発覚した首都圏連続不審死事件から着想を得て作られた「ソドムの林檎」
外見の美しさゆえに偽りの愛を受け、それを憎んで自らの顔を醜く整形する容疑者と、醜さゆえに愛されないと思い、美しい顔へと整形した雑誌編集者の対立を軸に展開するのだが…。
まずキャスティングのバランスが非常に悪い。これに尽きる。200分の大作の割に回想シーンが多く、テンポが悪く間延びし、寺島しのぶの鬼気迫る連続殺人の悪女を期待しただけに残念。
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1998年7月和歌山県園部地区で行われた夏祭において、提供されたカレーに毒物が混入され67人が腹痛や吐き気などを訴えて病院に搬送され、うち4人が死亡する。周囲で不審なヒ素中毒を含む22件、総額1億6000万円の保険金詐欺罪で同年10月に、現場近くに住む林真須美を逮捕。同年12月カレーへの亜ヒ酸の混入による殺人と殺人未遂の容疑で再逮捕される。
直接証拠がなく状況証拠のみで2009年5月最高裁にて死刑が確定するが、無実を訴え現在は再審請求中の和歌山毒物
カレー事件。保険金殺人がテーマで内容が酷似していると大きな話題となった監督・森田芳光、出演・大竹しのぶ、内野聖陽、西村雅彦、小林薫…錚々たるキャストの映画「黒い家」。
モンスタースプラッター系、心霊系よりは圧倒的に不気味なのに、なぜか笑いを入れようとする点など理解し難いところも多く、恐怖、笑い、全てが中途半端になってしまっている。
意図した安っぽい映像はリアリティを感じさせたのに、とことんホラー&サスペンスで突き進んで欲しかった作品。
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仕入代金の代わりに身体で払い、色仕掛けで稼ぐ土産物店、食堂店を営む小林カウ。次にホテル乗っ取り計画を企て、経営者の愛人として近づく。色仕掛けで仲間に引き込んだ雑用係大貫光吉と共謀し経営者夫婦を殺害。引き継ぎホテル日本閣を経営するが、相次ぐ失踪に警察の捜査が始まり、殺人罪で逮捕される。
逮捕後も男好きの小林の病気は治らず、取調官に「死刑だけはかんにんしてね」と愛嬌を込めて誘惑したという。1970年に死刑が執行され、戦後初の女性への死刑執行者となったホテル日本閣殺人事件をモデルとした「天国の駅」。
昭和の毒婦とされた小林カウをかなり美化し、吉永小百合が清純なお嬢様キャラを脱する初めて濡れ場・よごれ役を披露して、幸の薄い悲劇のヒロインを演じる。まだまだ若い吉永小百合、その美しさが演技の邪魔になっているとさえ感じる。
西田敏行、津川雅彦、丹波哲郎、三浦友和、白石加代子等と名優揃いの作品なのに、なかなか店舗に在庫がないのは、なぜだろうか。
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1974年大分県別府市の国際観光港第三埠頭で、1台の乗用車が海に転落。夫・荒木虎美が海面を泳いでいるところを救助されたが、妻、長女、次女の3人が溺死する。3人には月々の掛け金が数十万円の高額保険金契約が結ばれていた。
マスコミにも度々取り上げられ、事件から1か月後にワイドショー「3時のあなた」生出演。身の潔白を主張するも、出演ゲストの発言に激怒し、席を蹴って退場する。この番組生放送終了後にテレビ局裏で殺人罪容疑で逮捕される。別府3億円保険金殺人事件に創作のヒントをえて制作された映画「疑惑」。
またこれまで4度のテレビドラマ化がされる。主人公・白河球磨子を桃井かおりが怪演。その後いしだあゆみ、余貴美子、沢口靖子、尾野真知子らが演じる。
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実際発生した凶悪殺人事件をモチーフにして作られた海外映画集 第7弾

「事実は小説より奇なり」


1972年8月22日米国ニューヨークのブルックリン区で発生したチェイスマンハッタン銀行襲撃強盗事件。ベトナム帰還兵の犯人は恋人に性転換手術の費用をプレゼントするために、下見もせず、いきなり銀行を襲撃する。犯行の午前中に「ゴットファーザー」を観たからという単純なきっかけだったという。逮捕後、事件が映画化されるにあたり映画化権料が入り、そのお金で恋人に手術代をプレゼントすることができたそうだ。この事件に基づいて作られた「狼たちの午後」
作中の銀行内での会話や刑事とのやり取りなどは、ほとんど俳優陣らのアドリブによるもので、生き生きした台詞のやり取りが生み出すリアリティーや、間抜けな犯人役のパチーノの神経が張りつめ異様なテンションに陥る演技には親近感さえ抱き、リアルさにグイグイ引き込まれる傑作映画
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米国各地のファストフード店や食料雑貨店に電話をかけて警察官を自称し、警察への協力行為の名のもとに店長らを誘導、女性店員を裸にして身体検査をするなど、その他の異常な行為をするよう仕向ける。一連の犯行は70件を数え、行われた場所も30州もの広範囲にわたった。約10年間続いたストリップサーチ悪戯電話詐欺事件を基にした映画「コンプライアンス」
実話という前置きがなければ、そんな簡単に騙されるわけがないとすら思ってしまうが、組織に属する人はその組織の命令であれば、考えられない残酷行為に及ぶということが(ミルグラム)実験からも実証されており、権威と服従の互換性を切々する圧倒的なリアルさで描いた秀作。監督クレイグ・ゾベルは映画「狼たちの午後」の大ファンだという。
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ニューヨークの不動産王ダースト家の長男で、約44億ドル(約5,340億円)の資産を保有するロバート・ダーストの妻キャシー・ダーストが1982年、謎の失踪をする。警察はロバートの親しい友人女性スーザン・バーマンから事情を聴こうとする矢先に、何者かに後頭部を撃たれて殺害される。失踪事件及びスーザン殺害にロバートが深く関わっていると考えられたが、証拠不十分で結局結びつけられずに終わる。しかしスーザン殺害から1年後、テキサス州ガルベストン湾にロバートの隣人モリス・ブラックが切断遺体で発見される。遂にロバートはモリス殺害容疑で逮捕されるのだが、事故だとする被告側の主張を覆すに足る物的証拠が見つからず、無罪判決が下される。…と、ここまでのストーリーを基にした映画「幸せの行方」
親の反対を押し切り結婚する2人の幸せの歯車も、脆くも少しずつ狂い始める。
一連の未解決殺人事件はまるで映画のようであるが、本当に驚く実際の結末を誰が想像したであろう。
2015年3月16日 疑惑を検証するドキュメンタリー番組に出演したロバートダースト。番組収録中マイクのスイッチが入ったままだったことに気付かずトイレで「俺が何をしたかって?もちろん全員殺したさ」と殺人犯行を認める独り言をつぶやいたことが決定的となって、収録後逮捕される。驚愕のオチである。原題がAll the good thing
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米国ボストンで1962年から1964年の約1年半で計13人の女性が殺害される。発見される遺体は全て全裸で、性的暴行を受けた形跡があり、絞殺にはパンティストッキングやタイツなど女性の衣服が用いられた。遺体の女性器を露出状態にしたりと、異常な性的嗜好者による犯行とされアルバート・デザルヴォが逮捕される。デザルヴォが刑務所内で死亡したことで、事件は一応の終息を見せたものの、独房で刺殺体であったことなど1980年代以降に冤罪説が数多く浮上し、再び脚光を浴びることになったボストン連続絞殺魔事件。犯人を多重人格者とした設定、分割画面で複数の出来事を同時に見せるマルチスクリーンを駆使し、大胆で斬新な映像手法を使うなど50年以上前の作品とは感じさせない秀作「絞殺魔」。犯人とされたデサルヴォの終盤の尋問に苦悩する迫真の演技は一見である。
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実際発生した凶悪殺人事件をモチーフにして作られた海外映画集 第6弾

「事実は小説より奇なり」

19世紀の後半の貧民街の一角で、(13~20人とする説もあるが)3か月の期間に5人の女性が連続殺害された残忍な猟奇殺人の犯人の通称切り裂きジャック。主に娼婦が犠牲となり、殺され方が一様にして、喉を裂き、手足を切り刻み、内臓を抉りバラバラにするという残虐さ。時には摘出された内臓を遺体の横に揃えて置かれていたという。解剖学的知識があるとされ、犯人の職業は医師だという説が有力視されているが、精神病患者から王室関係者まで、その正体については1世紀以上経った現在も未解決のままの一連の殺人事件。
事件の真相の1つの仮説として、王室やフリーメイソンといった特権階級の闇を絡ませた「フロムヘル」
ジョニー・デップ出演でダークな題材だけに万人受け難しいが、謎解きもあり楽しめるサスペンスホラーの良作。
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1959年カンザス州の片田舎ホルカムでは名士で評判高い名家。奥さんが神経を患っていたが快方に向かっている矢先、
一家全員がロープで縛られた挙げ句、散弾銃によって至近距離から射殺されたクラッター一家4人惨殺事件。
犯人の処刑現場にまで立ち会ってまでして書き上げた原作者トルーマンカポーティの小説・冷血を映像化。実際の事件現場での殺害シーンの撮影、本裁判が行われた法廷を使用し、当時陪審員を担当した6人の陪審員を実際出演させたという。
地味な作品ながらモノクロ映画の美しさも楽しめる50年前の1967年の「冷血」。映画「カポーティ」を鑑賞前には必見。
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子供たちを楽しませるため、パーティなどでピエロに扮からキラー・クラウンの異名を持つジョン・ゲイシー。
資産家の名士でチャリティー活動にも熱心な模範的市民の反面、少年を拷問、レイプ、
殺害しては遺体の多くを自宅の床下に埋葬していた。約7年間の間で少年を含む33名を殺害した同性愛連続殺人犯。刑務所で描いたピエロの絵画は連続殺人者犯マニアの中で大変な人気があり、展示会が開催され、高値で取引される。
俳優のジョニー・デップも購入して所有していると言われている。連続殺人鬼ペニー・ワイズのモデルとなった映画「IT」
それぞれが持つ少年期のトラウマ、恐怖心をペニー・ワイズとして上手く描写してるのに、ラストの展開が大変よろしくない。
設定と途中までが素晴らしかった分、ラストの部分は、興ざめする事間違いなしの映画である。
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大邸宅でデフェオ一家が惨殺される事件が発生。地下室に閉じこもっていた犯人は長男のロナルドであった。彼は就寝中の両親と4人の弟妹たちをライフルで次々と射殺。我に返り自ら警察に通報した彼は、逮捕後「家が家族を殺すよう命じた」と主張したという。それから数年、新しい住まいを探していたラッツ夫妻は、新聞広告に載っていたこのアミティヴィルの大邸宅を訪れ、値段の安さにひかれ購入を決めるが、数々の不気味な現象が襲い再び悲劇が始まる。アメリカ、ロングアイランドで発生した超常現象を題材にした「悪魔の棲む家」。79年に初映画化されて以来、長きにわたって続くホラーシリーズのリメイク映画。
心霊が見えるや、徐々に狂っていく父など定番要素によって盛り上げられていく「悪魔の棲む家」。
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実際発生した凶悪殺人事件をモチーフにして作られた海外映画集 第5弾
「事実は小説より奇なり」


母親から得た精神的影響が多く、墓荒しと殺人罪、猟奇的奇行で有名で、「悪魔のいけにえ」や「羊たちの沈黙」など後のホラー映画に多大なる影響を与えたエド・ゲインをモデルにした最初の作品で、着想を得て作り上げたヒッチコック監督の「サイコ」
冒頭のシーンだけでワクワクして、傑作映画だと直感するオープニングである。映画史に残る有名な "シャワールーム・マーダー" の殺人シーンの約1分間に、70アングルと90以上のカットで構成され、マリオン役の撮影にかけられた日数の全日程の1/4の7日間というところに驚かされる。
前半のマリオン、後半のノーマン・ベイツとストーリー視点を早業で交差させる巧さにも唸らされる。
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今なお続くサイコサスペンスホラーの映画史に輝く傑作。
天才精神科医のレクター博士、聡明な頭脳なFBI女性捜査官訓練生クラリスの対立を軸にする映画「羊たちの沈黙」
全体に真正面からのカメラワークを多用し、登場人物と一対一で相対しているような映像手法で引き込み、絶妙な緊迫感から絞り出すような恐怖は鳥肌モノである。連続殺人者バッファロービルのモデルとして、死体を加工した洋裁、レザーフェイス、母親からの幼少期の教育の強烈な影響などはエド・ゲインに由来し、体の不自由なふりをして隙を作り、襲撃・強姦という手口はテッド・バンディをモデルする。原作者トマス・ハリスは記者見習い時、エド・ゲインによる猟奇殺人事件を実際担当しており、犯行手口などはこのときの取材にヒントを得ている。
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ジョディの不在が何よりも大きな差であるのは言うまでもない。またやはりオリジナルからはレクター博士の存在感が圧倒的に減少しているのも否めない。表現を抑えた上で、映画品格を保ち、欲張らずに焦点を人間ドラマを描くという点で評価が高い羊たちと比較すると、見劣りはするものの、終始張り詰める緊張感、緻密に練られたストーリー、重厚な空気、間は健在である。ラブストーリーにも似た「ハンニバル」。
終盤の衝撃的シーンには驚かされるし、原作とは大きく異なるそうだが、ラストは私的には結構イケる。
秀作であるのは間違いない。
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エド・ゲイン、ジョン・ゲイシーらと並び有名なシリアルキラーの1人、ヘンリー・ルーカス。11件の殺人で起訴され死刑を宣告されるが、ヘンリーの自供では全米17州で300人以上を殺害したとも言われる。自らが犯した事件の捜査班のメンバーに、獄中からアドバイスを出したというエピソードは、羊たちのモデルの1人とされる。“息をするのと同じだ”と彼曰く、あまりにも淡々に、何の躊躇もなく殺人を繰り返し、作中冒頭でも5分で四人は殺される。異常な出来事であるはずの殺人が、日常の中に組み込まれている居心地の悪さ、不快感がある「ヘンリー ある連続殺人鬼の記録」。
心理的な欲求に、本能の部分で正直に従っているだけとも言えるヘンリーだが、個人的に屈折してしまった彼の生い立ちにもう少しフォーカスを合わせた作品にして欲しかった。
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一人で映画館に行くほど、映画が好きになったきっかけ「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
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PART1はリアルタイムではない。
映画公開は、まだ春風が清水小のグランドでロックンに明け暮れてた5年生の1985年12月に公開。
PART1をどこで観たのか記憶にはないが(多分コーヤンか大ちゃんの家かな)、1989年12月にPART2が、半年後の1990年7月にPART3が公開される。
春風が中学生のときにハマりにハマりまくったSF映画である「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
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今は見る影もない難波駅前の南海会館(南街劇場、スカラ座、東宝、シネマ、文化劇場)に、PART2を観に行ったのが中3
南海会館横の大人のおもちゃのお店を横目に、ジュースとパンフレットを買って、一つ前の上映時間から、並んで、走って。席取りをしたのが懐かしい。T2に至っては席取りのために立見で観た後、そのまま連続して観たもんなぁ~。
この頃の80~90代の洋画に、傑作が多いと思うのも、観た時期、時代が大きく影響してるんかなぁ

エイリアン、ターミネーター、トップガン、プラトーン、プレデター、アンタッチャブル、摩天楼はバラ色に、ビバリーヒルズコップ、
ランボー、ロッキー、コブラ、オーバーザトップ、危険な情事、リーサルウェポン、メジャーリーグ、ヤングガン、ブラックレイン、
インディージョーンズ、レインマン、カクテル、7/4に生まれて、今を生きる、ダイハード、ゴースト、羊たちの沈黙


そのバック・トゥ・ザ・フューチャーPART2で描かれた未来へのタイムトラベルがまさに今年、2015年となる事を考えたら、
歳を取ったことを痛感する。
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ってことはさて置いて、映画の中でその未来都市は驚くほどカッコよく、衝撃的だった。
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自動で紐が締まる靴、タブレット型コンピュター、指紋認証、コントローラーのないゲーム、3Dムービー、テレビ会議、
自動乾燥する服、自動掃除機、壁掛けタイプのマルチ大型TV、ホバーボート…
これら全ては1988年に予想した2015年の未来。そして2015年の現在には、それら殆どが実現されているから驚きだ。
(まだ車が空を飛んではいないけど、飛行機で大阪~東京間が(最安値)5,000円って考えると)
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さぁ~現在から見る20年後の未来は…
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たくさんの画像使用お許しください。                                              でも2015年の次のメッセージは独自で加工挿入しました。
未来はまだ白紙ということさ。誰もがね。自分の未来は自分で切り開くものなんだよ。良き未来に幸多かれ By エメット・ブラウン博士



来たるべき2015年4月21日 PM4:29
実際発生した凶悪殺人事件をモチーフにして作られた国内映画 第4弾
「事実は小説より奇なり」


山口県で夫は刃物で頭部をめった打ちにし、胸を鈍器で殴られ、妻は鼻と口を塞がれて窒息した後、鴨居から首を吊った状態で殺害される強盗殺人事件が発生する。「複数犯の仕業である」と推定する警察により、犯人は一度は単独犯と自供したにも拘らず、知り合い4人を共犯者に仕立てあげる。共犯に関する供述を引き出すために警察は密室での拷問を必要なまでに繰り返し、4人から犯行を自供させるという、1951年の冤罪事件である八海事件を扱った「真昼の暗闇」
1956年の映画公開時はモデルとなった八海事件は審理中だったため、映画内では二審で有罪判決が下されて最高裁に上告する場面で終わるのが、時代と言おうか、なんとも斬新だと感じる。戦後の社会派映画の代表的傑作と評価された一作。
モノクロ映画はなぜだかおどろおどろしく感じてしまう。
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1938年5月、岡山県苫田郡の貝尾・坂元両集落の風習で夜這いで女性と関係を持つようになり、これに溺れていく都井睦雄。徴兵検査において、結核と診断され不適とされた彼は名誉の出兵が適わなくなり、村八分状態となる。
追い詰められた彼は村人達に対し復讐を行い、2時間足らずで30名(自殺した犯人を含めると31名)が死亡し、3名が重軽傷を負うという、犠牲者数が坂本弁護士一家殺人、松本サリン、地下鉄サリン事件を合わせ総称するオウム真理教事件(27名)をも上回る日本の犯罪史上前代未聞の大量殺戮事件である津山事件をモデルにする「丑三つの村」
実録犯罪映画という雰囲気が皆無で、犯人の青春映画的な雰囲気ではあるが、おとなしい青年から、殺人鬼に変わる瞬間の「犬丸継男君、バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ…」のシーンは印象深い。
(また「八つ墓村」冒頭部で語られる村人32人殺し事件も、本事件がモデルとなっている)
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1949年福島県の東北本線で起きた列車往来妨害事件。先頭車両が脱線転覆、後続車両も脱線し、乗務員3人が死亡したこの事件、現場検証の結果、転覆地点付近の線路継目部のボルト・ナットが緩められ、枕木に固定する犬釘も多数抜かれており、レール1本が外され、殆ど真直ぐなまま13m移動されていたという。容疑者が逮捕されたものの、その後の最高裁で全員が無罪となり、未解決事件となる。
下山事件、三鷹事件と並び、戦後の国鉄三大ミステリー事件の一つといわれる「松川事件」。前半は赤間の嘘の自白の強要までを、後半は法廷の第二審までを描いく社会派映画。忠実にシナリオが書かれ、再現性を追求し多くが実名であるという。50年以上前の映画であり、時代錯誤で少し滑稽に感じる点はあるものの、背景の国家犯罪がとても恐ろしい。
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1966年6月30日深夜 味噌製造会社専務の居宅兼事務所で殺人放火事件は起こる。殺された4人は少なくとも45か所もの刺傷でメッタ刺しにされたうえ、石油をかけ火をつけられたので黒焦げで、家屋も全焼した。その後従業員で元プロボクサーの袴田巖氏が強盗殺人、放火、窃盗容疑で逮捕される。拘留期間中、無実を主張し続けるが、炎天下で最長17時間にも及ぶ取調べの他睡眠を妨害するなどし、過酷を極めモウロウとした状態の中、警察の筋書き通りの犯行を強制させられ自白する。袴田氏は45年以上にわたり拘束される中、冤罪を訴え続け2014年3月死刑及び拘置の執行停止並びに裁判の再審が決定する。いわゆる袴田事件を基に元裁判官の視点から描く映画「BOX袴田事件 命とは」
暴行、威圧、強要の苦しみからの解放として、ウソの自白の強要、捜査機関の証拠の捏造etc、戦後日本ではここまで腐敗が横行していたのかと驚いた。
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