Based on a real story  - 洋画編 ⑤-

実際発生した凶悪殺人事件をモチーフにして作られた海外映画集 第5弾
「事実は小説より奇なり」


母親から得た精神的影響が多く、墓荒しと殺人罪、猟奇的奇行で有名で、「悪魔のいけにえ」や「羊たちの沈黙」など後のホラー映画に多大なる影響を与えたエド・ゲインをモデルにした最初の作品で、着想を得て作り上げたヒッチコック監督の「サイコ」
冒頭のシーンだけでワクワクして、傑作映画だと直感するオープニングである。映画史に残る有名な "シャワールーム・マーダー" の殺人シーンの約1分間に、70アングルと90以上のカットで構成され、マリオン役の撮影にかけられた日数の全日程の1/4の7日間というところに驚かされる。
前半のマリオン、後半のノーマン・ベイツとストーリー視点を早業で交差させる巧さにも唸らされる。
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今なお続くサイコサスペンスホラーの映画史に輝く傑作。
天才精神科医のレクター博士、聡明な頭脳なFBI女性捜査官訓練生クラリスの対立を軸にする映画「羊たちの沈黙」
全体に真正面からのカメラワークを多用し、登場人物と一対一で相対しているような映像手法で引き込み、絶妙な緊迫感から絞り出すような恐怖は鳥肌モノである。連続殺人者バッファロービルのモデルとして、死体を加工した洋裁、レザーフェイス、母親からの幼少期の教育の強烈な影響などはエド・ゲインに由来し、体の不自由なふりをして隙を作り、襲撃・強姦という手口はテッド・バンディをモデルする。原作者トマス・ハリスは記者見習い時、エド・ゲインによる猟奇殺人事件を実際担当しており、犯行手口などはこのときの取材にヒントを得ている。
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ジョディの不在が何よりも大きな差であるのは言うまでもない。またやはりオリジナルからはレクター博士の存在感が圧倒的に減少しているのも否めない。表現を抑えた上で、映画品格を保ち、欲張らずに焦点を人間ドラマを描くという点で評価が高い羊たちと比較すると、見劣りはするものの、終始張り詰める緊張感、緻密に練られたストーリー、重厚な空気、間は健在である。ラブストーリーにも似た「ハンニバル」。
終盤の衝撃的シーンには驚かされるし、原作とは大きく異なるそうだが、ラストは私的には結構イケる。
秀作であるのは間違いない。
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エド・ゲイン、ジョン・ゲイシーらと並び有名なシリアルキラーの1人、ヘンリー・ルーカス。11件の殺人で起訴され死刑を宣告されるが、ヘンリーの自供では全米17州で300人以上を殺害したとも言われる。自らが犯した事件の捜査班のメンバーに、獄中からアドバイスを出したというエピソードは、羊たちのモデルの1人とされる。“息をするのと同じだ”と彼曰く、あまりにも淡々に、何の躊躇もなく殺人を繰り返し、作中冒頭でも5分で四人は殺される。異常な出来事であるはずの殺人が、日常の中に組み込まれている居心地の悪さ、不快感がある「ヘンリー ある連続殺人鬼の記録」。
心理的な欲求に、本能の部分で正直に従っているだけとも言えるヘンリーだが、個人的に屈折してしまった彼の生い立ちにもう少しフォーカスを合わせた作品にして欲しかった。
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by hello-rains | 2015-03-07 13:30 | 映画・書籍など | Comments(1)
Commented by マーシー at 2015-03-08 09:14 x
先週、羊たちの沈黙をレンタルしました。
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